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仕事終わりは癒しの時間
第9章 Blue eyes

山岡さんはお客さんを煽るのが上手い。
「もっと来いよ!」と挑発するのに呼応してお客さんのテンションも上がっていく。
ライブが盛り上がってくると、滴る汗に、汗で湿って顔に貼り付いた髪、色気のある声と妖艶な表情の山岡さんに、普段見ることのない姿にドキドキしてしまった。
エロいって言うのが分かった気がする…。
MCではメンバー同士の掛け合いがあって、会場は笑いに包まれた。
ライブの終盤、『レガシー』という曲の途中でハプニングがあった。
「昨日の自分に押し潰されぬよう…!?」
「あっ…」
こちらをチラッと見て私に気付たのか、彼は二度見してからこちらを凝視したまま固まった。
曲は続いているが、山岡さんが歌わなくなって客席がザワザワし出してから、ハッとしたように歌い出した。
「ごめん!歌詞飛んだ!今日は最高でした!ありがとう!!」
メンバーに小突かれながらも、山岡さんはすごい楽しそうだった。
メンバーはステージから去ってしまったが、客席からの手拍子で数分で戻って来てくれて、客席から歓声が上がった。

