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第10章 ご褒美

今ツアーで疲れているであろう山岡さんを私なりに癒してあげたいと思い、この焼肉屋さんに連れて来た。

「ここの牛タンね、厚切りなんだよ。仙台じゃないけどすごく美味しいからね」
「マジで…」
「うん、寒いから早く入ろ」

ーーーーーー

「…茜さん、俺のこと試してる？」
「は？何が」

山岡さんのプライベートを考慮して個室に案内してもらったら、このセリフ。

「こんな狭い空間に男女2人きりとか…我慢しろって言うてるもんやで」
「あのね、山岡さんが撮られないように個室に通してもらったの！」
「ふーん」

この人、他の女の子にもこんな感じなのかな…。
とりあえず、飲み物とお肉、付け合わせなどを注文して待っている間にこの前のライブの話をした。

「普段とだいぶ雰囲気違ってびっくりしたよ」
「んー、スイッチが入るって言うの？プライベートの『山岡 春人』からオフィシャルの『ハル』に変わる感じ？でもMCに入ったら急にスイッチ切れて『山岡 春人』に戻るんよな」