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霞草
第6章 二人の想い
僕は、その男の手と彼女の手を引き剥がし、
「お客様、少し度が過ぎてませんか?」
そして彼女には、
「お前、まだ勉強が残ってるだろう、手伝いはもういいから部屋に戻れ。」
と言い、すぐさまそこから出るように追い払った。
男は、
「お前あの子のなんなの?従業員?雰囲気悪いこの宿。」
と食ってかかってきた。
「申し訳ございません。人手不足で妹も手伝ってますが、未成年なもので、お酒の相手をする訳には行きません。お客様もそうなるとご迷惑でしょうから、失礼いたします。」
男の仲間達が、
「お前飲み過ぎだぞ、面倒起こすとこっちがヤバいぞ。」
となだめた。
男は、
「ちょっと可愛いから、しつこく絡んじゃった。悪いな。妹さんに謝っておいて。」
と軽く頭を下げた。
調理場でおじさんとおばさんがこちらを気にしていたが、僕が視線を送ると、手を動かし始めた。
団体客が食堂を出るまで、僕一人で対応した。
その後、
「風呂に入るぞぉ。」
と盛り上がって、彼らは出て行った。
食器を急いで下げると、
おじさんが、
「ありがとな、二人で先に食べててくれ。」
と霞のいる奥の食卓を差した。