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Sな彼女
第7章 接近

「りょおちゃんも宮森総合病院の患者でしょ?あたしもあそこの神経科に通っているんだ。前にも何度かすれ違っていたけど、りょおちゃん、全然気づいてくれないんだもん」

俺は首を傾げた。
そんな事言われても……。

「りょおちゃんと話がしたいな。少しでいいから時間くれないかな?どこかお茶か食事でもしながら」

「どこかって?」

「そうだなぁ……。ここからだったらスタバが一番近いかな」

「行かない」

「相変わらずクールだなあ、りょおちゃんは。そこがまた魅力的なんだけど」

苦笑いしながら岬はそう言った。

ーーーーああ、この女性は間違いなく岬だ。

そう確信した。
これが他の人間だったら「感じ悪い」とか「愛想が無い」と言われる。
岬だけは何故か俺の会話の返答や反応に対して、ネガティヴな評価はしない。
いつも「クール」で「カッコイイ」と言う。

そんな人間は後にも先にも岬以外に現れないだろう。多分……。
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