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Sな彼女
第7章 接近

岬は迷子の子犬みたいな困った顔をして言った。
「スタバが嫌なの?それとも人混みがダメだとか?あ、ひょっとして、あたしの事が?ウザいとか」
スタバは嫌い。
人混みも嫌い。
岬の事は……?
彼女の複数の質問をどうやって答えるか、考えを巡らせる。
「両方。でも、岬の事はウザくない」
「そっかぁ……あたし、りょおちゃんに嫌われてる訳じゃないんだね」
岬は満面の笑みを浮かべた。
嫌われてる?俺に?
子供の頃は、何かと付きまとってきた岬が煩わしいと思った事はあった。今も若干煩わしいと思っている。
でも、彼女という人間が嫌いな訳じゃない。
むしろ、好感を抱いている。
昔も、今も。
「岬の事は嫌いじゃない。昔から好きだよ」
岬の顔は耳まで赤くなった。
「……っ‼︎……りょおちゃん、今のセリフ破壊力あり過ぎっ」

