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Sな彼女
第9章 交流

俺はブルーリバーが気に入ったのだろうか?
俺は時々、ある物が気になるとそれから目が離せなくなることがある。
しかしそれが気に入ったのかと言われると分からない。
俺は正直に答えた。
「気に入ったかどうか分からない」
「ふーん。そうなんだね。それならどうしてそんなに見つめているの?」
「気になって目が離せない」
「そっか……ブルーリバーなんて名前だけど、ちっとも青くないよね。まあ、自然界に青いバラなんて実質存在しないんだけど」
「そうなんだ……バラに詳しいの?」
岬は苦笑した。
「違うよ、漫画で得た付け焼き刃の知識だよ」
「そう……」
相変わらず俺は、バラから視線を外せないまま答えた。
俺の異変に気付いたのか、岬は心配そうな顔をした。
「あたしも自分の病気の症状には驚かされるし、苦しめられているけど、りょおちゃんの症状も大変だね。大丈夫?苦しくない?」
彼女は再び俺の手を握った。
俺には珍しく、岬の言った事の意味がすぐに分かった。
俺は彼女の言葉を自然に受け止めた。

