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Sな彼女
第9章 交流

「あたしとは正反対だよね。あたし、自分で言うのもあれだけど、どんな事でもソツなくこなせるタイプでさ、それって逆を言えば中途半端な器用貧乏って事なんだよね。何事も極める事が出来ないんだ。……カッコ悪いよね」

そうだろうか?
俺の記憶の岬は勉強もスポーツも得意な典型的優等生だった。
そして、愛嬌もあってクラスの人気者だった。

「でも、りょおちゃんは専門分野に特化した学者タイプというか、プロフェショナルな匠だよね。いいなぁ、尖った才を持っていて。羨ましいよ」

羨ましい?
俺が?
彼女の言っている事が分からない。

「でも、みんながみんな、俺みたいな人間ばかりだったら、世の中滅茶苦茶になる。だから、岬みたいな人も必要なんだと思う」

俺は思った事をそのまま言った。
岬は笑った。
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