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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第4章 突然の見合いと家出
着替えと金子の入った風呂敷包みを持ち、足取りも軽くファソンは歩き出した。
「何か、これでやっと自由を手に入れた気がするわー」
うーんと両手を天に向かって突き出す。まだ都の空は東の空の端も白んでいないほどの早い朝、下弦の月が蒼白い夜の名残を残した空に浮かんでいるのを眺めつつ、ファソンは呑気に鼻歌を歌いながら歩いていた。
実はこの時、自分がどれだけ無謀で先を考えていなかったか、ファソンはこの少し後、思い知ることになるのだった―。
「何か、これでやっと自由を手に入れた気がするわー」
うーんと両手を天に向かって突き出す。まだ都の空は東の空の端も白んでいないほどの早い朝、下弦の月が蒼白い夜の名残を残した空に浮かんでいるのを眺めつつ、ファソンは呑気に鼻歌を歌いながら歩いていた。
実はこの時、自分がどれだけ無謀で先を考えていなかったか、ファソンはこの少し後、思い知ることになるのだった―。