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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第14章 烈しさと切なさと、愛しさと
「それは中殿さまがご自分の魅力をご存じないだけですわ。王妃となられてから一年、中殿さまはそれもう大人びて美しくおなりです。ご無礼かもしれませんが、ほのかな色香も感じられ、輝くばかりのこのお美しさでは、国王さまが中殿さまを一心にご寵愛なさるのは当然だと皆が申しておりますよ」
「大げさね。私は全然、嫁ぐ前と変わらないのにね」
今でも時には宮殿をそっと抜け出して、都の下町を忍び歩くファソンなのだ。そういうファソンの大らかな気性を愛でている国王賢宗は、王妃の外出も見て見ぬふりをしている。
「大げさね。私は全然、嫁ぐ前と変わらないのにね」
今でも時には宮殿をそっと抜け出して、都の下町を忍び歩くファソンなのだ。そういうファソンの大らかな気性を愛でている国王賢宗は、王妃の外出も見て見ぬふりをしている。