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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第14章 烈しさと切なさと、愛しさと
自分でも、つまらない意地を張っていると思った。カンが帰ったと聞いた後で、寝台に身を投げ出して泣いた。
それでも、自分から〝逢いたかった〟とは、どうしても口に出せない。自分がこんな強情だったとはファソンも初めて知った。
「チェジンも連れてこないなんて、そなたには珍しいな。宮殿内とはいえ、庭園は人気もなく物騒だ。必ず伴は連れてきなさい」
大好きな深い声に、思わず振り向きそうになる。でも振り向いてなんかあげない。
それでも、自分から〝逢いたかった〟とは、どうしても口に出せない。自分がこんな強情だったとはファソンも初めて知った。
「チェジンも連れてこないなんて、そなたには珍しいな。宮殿内とはいえ、庭園は人気もなく物騒だ。必ず伴は連れてきなさい」
大好きな深い声に、思わず振り向きそうになる。でも振り向いてなんかあげない。