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第14章 烈しさと切なさと、愛しさと

　御医は



―夫婦ともに健康そのものであっても、懐妊しない夫婦は世に珍しくはありません。子は授かり物と申します。殿下、中殿さまお二人ともお若く、中殿さまはまだ十代でおわせば、いずれその時が参りましょう。


　と、さして若い国王夫妻の先行きに不安は抱いていない。


　が、賢宗の父王の代から仕えてきた廷臣たちは楽観はできなかった。先代の王がまだ三十数歳の若さで崩御したこともあり、とにかく一日も早く王子誕生をと望む声は実のところ、日ごとに強くなっていっていた。