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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第15章 恋敵
罰としてファソンは庭の物置に閉じ込められた。
そこは母屋から少し離れており、普段は滅多に使われないものが仕舞ってある場所だった。さして広くない小屋内には至る所に蜘蛛の巣がかかり、天井にも床にも埃が積もっている。
古びて埃を被った石臼や鍬などが無造作に転がっている他は何もなかった。途中で鼠がこそこそと周囲を這い回ったが、これはファソンは平気どころか、かえって仲閒がいるようで心強いとさえ思えたものだ。母ヨンオクならば鼠を見ただけで、気絶していたに相違ない。
夕飯もその日は罰としてなかったはずなのに、そこはいつも厳しい母が父には内緒でお握りをチェジンに運ばせてきてくれた。
そこは母屋から少し離れており、普段は滅多に使われないものが仕舞ってある場所だった。さして広くない小屋内には至る所に蜘蛛の巣がかかり、天井にも床にも埃が積もっている。
古びて埃を被った石臼や鍬などが無造作に転がっている他は何もなかった。途中で鼠がこそこそと周囲を這い回ったが、これはファソンは平気どころか、かえって仲閒がいるようで心強いとさえ思えたものだ。母ヨンオクならば鼠を見ただけで、気絶していたに相違ない。
夕飯もその日は罰としてなかったはずなのに、そこはいつも厳しい母が父には内緒でお握りをチェジンに運ばせてきてくれた。