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第15章 恋敵

　ファソンは父が宮殿に出仕している合間に、父の書斎に忍び込み、その蔵書を漁った。仕事熱心な父のことだから、いつものように陽が暮れて帰宅すると思いきや、その日に限って夕方、まだ明るい中に帰宅した。



　丁度部屋中に本を散らかしていたところを見つかり、ファソンは父に大目玉を食らった。




―仮にも陳氏の娘が盗っ人のようにこそこそと他人の部屋に忍び入るとは何事だ！