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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第15章 恋敵
ファソンはできるだけ優しい声音と笑顔を拵えるように心がけた。
「気を悪くしたのではない。私もそなたに逢うのを愉しみにしておったのだ。後宮は広しいえども、現在、国王さまにお仕えするのは私一人で心許ない想いをしていた。これからは立場は違うといえ、同じ良人に仕える者同士、仲良うできたら良いと思っている」
「はっ、ありがたきご諚(じよう)、身に余る光栄に存じます」
凜蓮が言い終えたところで、ファソンはやや気取った声から、いつもの物言いに戻した。
「気を悪くしたのではない。私もそなたに逢うのを愉しみにしておったのだ。後宮は広しいえども、現在、国王さまにお仕えするのは私一人で心許ない想いをしていた。これからは立場は違うといえ、同じ良人に仕える者同士、仲良うできたら良いと思っている」
「はっ、ありがたきご諚(じよう)、身に余る光栄に存じます」
凜蓮が言い終えたところで、ファソンはやや気取った声から、いつもの物言いに戻した。