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第15章 恋敵

「徳、でございますか」


「もちろん、今の私はまだ人としても中殿としても未熟すぎて、徳なんて全然ないけど。あの人のためなら歓んで従います、そう思って貰えるような、それに値する人間になるために努力はしたいと願っているわ」


「ファソンさま」


　いきなりチェジンがその場に平伏したため、ファソンは眼を丸くした。



「一体、どうしたの？　いきなり、愕くじゃないの」