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第15章 恋敵

　そして当然、カンはファソンがそう言って止めてくれるものだとばかり信じ込んでいた。だから、自分が側室を迎える日が来ることはないのだとも。


　だが、意に反して、ファソンの態度はどこまでも頑なだった。いささか過ぎるのではと思うほどに。




　もちろん、自分に悪いところもあったかもしれない。吏曺判書の娘を側室として後宮に入れるのは御前会議で協議され、決まったことだった。だから、ほぼ本決まりになってしまって以降、ファソンの許を訪れにくくなってしまった。