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第16章 嫁と姑

　恋敵（ファソン自身は崔昭容にそこまでの敵愾心は抱いてないのだが、チェジンは眼の仇にしている）の崔昭容は、相も変わらず国王の寵愛を独り占めしている。チェジンの機嫌は本人のファソンよりもすごぶる斜めであった。

「良いの、気にしないで」


　うっかりと冷戦中の国王のことを持ち出し、謝罪するチェジンにファソンは笑った。

「人の心は変わるものよ」


　どこか淋しげに呟き、ファソンは微笑む。その横顔のあまりの儚さに、チェジンは胸をつかれたように押し黙った。