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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第4章 突然の見合いと家出
「そんなことは言われなくても判っている。ただ、私は何度も言ったはずだ。まだ当分、妃を迎えるつもりはないと。こたびの禁婚令にしても、母上が勝手に大臣たちと諮ってなしたことで、私は賛同した憶えはない」
「しかし、このような時期に殿下おん自ら見初めたおなごを後宮にお納れになるというのは、いかにも外聞が悪うございます」
「―!」
今度はファソンが蒼くなる番だ。冗談ではない、父の言うがままに顔も見ない男と見合いをさせられるのも嫌だが、王の後宮に入るだなんて、もっと嫌に決まっている。
「しかし、このような時期に殿下おん自ら見初めたおなごを後宮にお納れになるというのは、いかにも外聞が悪うございます」
「―!」
今度はファソンが蒼くなる番だ。冗談ではない、父の言うがままに顔も見ない男と見合いをさせられるのも嫌だが、王の後宮に入るだなんて、もっと嫌に決まっている。