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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第4章 突然の見合いと家出
「カ、カン。私、後宮になんて」
入るつもりはないと言いかけ、内官にきつい視線で睨まれた。カンは笑いながら言った。
「勘違いしてくれるな、爺。この者は妃にするつもりで連れてきたのではない。しばらくの間、身の置き所が必要だと申すゆえ、身を隠すには後宮が丁度良いと思っただけだ」
「なるほど、さようでございましたか。いえ、殿下、爺は別に殿下ご自身が望まれた娘なら、異を唱えるつもりはありません。むしろ、女嫌いとさえ風評が立つ殿下にはご側室の一人でもいた方がよろしいかと存じます」
入るつもりはないと言いかけ、内官にきつい視線で睨まれた。カンは笑いながら言った。
「勘違いしてくれるな、爺。この者は妃にするつもりで連れてきたのではない。しばらくの間、身の置き所が必要だと申すゆえ、身を隠すには後宮が丁度良いと思っただけだ」
「なるほど、さようでございましたか。いえ、殿下、爺は別に殿下ご自身が望まれた娘なら、異を唱えるつもりはありません。むしろ、女嫌いとさえ風評が立つ殿下にはご側室の一人でもいた方がよろしいかと存じます」