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第19章 嵐の予感

　ファソン当人が聞けば笑い出しそうな科白ではあるが、カンも愛妻を褒められて悪い気はしない。まあ、しまいのひと言はファソンひと筋のカンには聞き捨てならない気もするけれど、この際、聞き流しておこう。


「私には過ぎた妻だと思っております」


　と、無難に返すにとどめた。



　承誠君が予期せぬ逆襲に出たのはこのときだった。