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第19章 嵐の予感

「まさに、お若いですな。殿下、この世の中は広い。世の中には男の心を求めておらぬ女もまた山のようにおります。心など与えて、何となりましょう。女は一刻の法悦、極楽を男に見せてくれる。男はその対価として宝玉を与え栄耀栄華をさせてやる。そういう見返りを望む女の方が実は多いのだということをお若い殿下がまだご存じないだけですよ。果たして、殿下が掌中の玉と愛でられる中殿さまは、どちらの類の女なのでしょうね。ますます興味が湧いて参りました」