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第19章 嵐の予感

　　　
　某王庭園在名花
　凛然微笑牡丹如　
　楚々風情水仙如
　数多寵愛在一身
　隆盛偲古楊貴妃　
　美姫見花羞恥将　

　いつの王の御世か、王宮の庭園に美しいと評判の花が咲いていた

　凛然とした微笑みは牡丹のごとく

　楚々とした、たおやかな風情は水仙のごとく

　ただ一人の美姫は王の厚い寵愛を集め

　その妃の時めく様はまさにはるか昔の楊貴妃を偲ばせる

　麗しい妃が見つめれば本当の花さえ恥じ入った（花も恥じ入るほどの美しさだった）