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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第4章 突然の見合いと家出
繰り返して歌う中に、カンは規則正しい寝息を立て始めた。
ファソンはカンのどこか無邪気ともいる寝顔を見つめ、そっと彼の手から自分の手を抜いた。
「カンは子どもの頃から今もずっと淋しいのね」
それにつけても、ファソンは我が身の子ども時代を思った。母は一人娘のファソンのことしか頭になく、何かにつけては口うるさく干渉してくる。しかし、七歳になるまでは毎夜のようにファソンが眠るまで側にいて、子守歌を歌ってくれたものだ。