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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第4章 突然の見合いと家出
「私はまだ幸せだったのね」
優しい両親に恵まれ、何不自由ない暮らしをしていた。カンは王という至高の立場にいながらも、実の母大妃とは心通わせられず、淋しい子ども時代を送ったようだ。
その時、ファソンは家を出て初めて両親のことに想いを馳せた。今頃、父も母もどうしているだろうか。こちらから断れないほどの身分の高い相手との見合いだったというのに、自分勝手に屋敷を出てしまい、どれだけ両親に迷惑をかけたかしれない。