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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第34章 悪夢
ソンヒョンの尽力で入牢中の夢龍と逢えたのは、それから更に数日を経た夜のことであった。夜陰に紛れ、春香は外套を頭からすっぽりと被り、ソンヒョンの手引きで宮城に入り、義禁府の牢に脚を踏み入れた。
牢内はうす暗く、まるで洞窟に入ったようである。春香はソンヒョンの背中だけを見つめ、その後に続いた。牢は壁で仕切られており、幾つか並んでいる。春香が歩く廊下の両側に似たような造りの部屋があり、格子越しにうなだれ疲れ切った様子で壁にもたれる罪人たちがチラと見えた。
牢内はうす暗く、まるで洞窟に入ったようである。春香はソンヒョンの背中だけを見つめ、その後に続いた。牢は壁で仕切られており、幾つか並んでいる。春香が歩く廊下の両側に似たような造りの部屋があり、格子越しにうなだれ疲れ切った様子で壁にもたれる罪人たちがチラと見えた。