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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第5章 契約結婚と本物の恋
許可を得たファソンは伸び上がった。〝忠孝明道〟は書架のいちばん上の棚にあった。ファソンでは、どうしても届かない。
「よしよし、待って。今、取ってあげるから」
背後でひそやかな笑い声が聞こえ、カンがお目当ての本を楽々と取って渡してくれる。
「ありがと」
ファソンは熱心に〝忠孝明道〟を読みふけった。実際、こんな生き生きとしたファソンを見るのはカンは初めてだった。宮殿に連れてきてからというもの、ファソンはどこか元気がなく打ち沈んでいるようなところがあった。
「よしよし、待って。今、取ってあげるから」
背後でひそやかな笑い声が聞こえ、カンがお目当ての本を楽々と取って渡してくれる。
「ありがと」
ファソンは熱心に〝忠孝明道〟を読みふけった。実際、こんな生き生きとしたファソンを見るのはカンは初めてだった。宮殿に連れてきてからというもの、ファソンはどこか元気がなく打ち沈んでいるようなところがあった。