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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第5章 契約結婚と本物の恋
今日のファソンは彼が初めて下町で出逢ったときの彼女を思い出させる。
―この娘はつくづく本が好きなのだな。
〝本の虫〟というあだ名はあながち間違ってはいないということか。
こんなに歓ぶのを見られるのなら、度々、ここに連れてきても良いし、何ならファソンにこの書庫の合い鍵を与えても良いだろう。合い鍵を与えたからといって、勝手に貴重な蔵書を持ち出したり私したりするような娘ではない。〝王の寵愛〟に甘えるようなファソンではないとカンはよく判っていた。
―この娘はつくづく本が好きなのだな。
〝本の虫〟というあだ名はあながち間違ってはいないということか。
こんなに歓ぶのを見られるのなら、度々、ここに連れてきても良いし、何ならファソンにこの書庫の合い鍵を与えても良いだろう。合い鍵を与えたからといって、勝手に貴重な蔵書を持ち出したり私したりするような娘ではない。〝王の寵愛〟に甘えるようなファソンではないとカンはよく判っていた。