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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第3章 〝本の虫〟と呼ばれる少女
「あら、金氏の若さま。今日もまた相変わらず嫌みがお上手ね」
つかつかとやって来た若い男は険のある眼でファソンとその傍らに立つ青年を交互に見た。
「俺の許婚者と他の男が昼間からよろしくやっているとは、これはどういうことかな、ファソン?」
この男、金サムジョンという。右議政の嫡男で、父親が政府の高官なのを鼻にかけて傍若無人なふるまいが眼に余る。妓房で女遊びに狂うは酒色に溺れるはで、その放蕩ぶりはつとに知られている。