この作品は18歳未満閲覧禁止です
国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第3章 〝本の虫〟と呼ばれる少女
こんな男ではあるが、ファソンにとっては幼い頃からの知り合いなのだ。子どもの時分から、このいけ好かない性格は変わらない。
男ぶりはそこそこなのだけれど、何しろ性格がそれを上回って有り余るほど悪いのが難点である。
「お生憎さま、私はあなたと婚約した憶えなんて、金輪際ありませんけど」
確かにサムジョンが父を通して結婚を申し込んできたのは知っている。けれど、その縁談はその時、父がきっぱりと断ったはずだ。