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第9章 水仙の妖精

「ふふっ、ちょっとしたものでしょう」


　ファソンは微笑んで青年を見た。

「ええ、凄いとしか言いようがない。都にこんな場所があったなんて知らなかった」


　彼も眼を見開いて周囲を眺め回している。ファソンは満足げに頷いた。


「ここはまだ誰も教えたことがないの」



　そう、良人である国王にさえ、話したことはない。ファソンだけの秘密の場所だ。