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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第3章 〝本の虫〟と呼ばれる少女

最後まで謝らなかった息子に、両親は呆れ果てたという。けれど、その話を父から聞かされたファソンはサムジョンを子ども心に見直したものだった。
ギルボクは乳兄弟とはいえ、使用人であった。その使用人を身を挺して庇ったサムジョンは立派だと思った。
「なるほど。確かに、その行いは見上げたものだな。身分が低いからと、人を訳もなく辱めて良いわけがない。ファソン、この国は王族や両班といった特権階級だけで成り立っているわけではないからね。国の根本は民だ。民の存在なくして国は成り立たない。名も無きたくさんの民こそが、朝鮮の宝なんだよ」
ギルボクは乳兄弟とはいえ、使用人であった。その使用人を身を挺して庇ったサムジョンは立派だと思った。
「なるほど。確かに、その行いは見上げたものだな。身分が低いからと、人を訳もなく辱めて良いわけがない。ファソン、この国は王族や両班といった特権階級だけで成り立っているわけではないからね。国の根本は民だ。民の存在なくして国は成り立たない。名も無きたくさんの民こそが、朝鮮の宝なんだよ」

