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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第4章 突然の見合いと家出
ファソンはチェジンの両手を自分の手のひらで包み込んだ。両班の令嬢のファソンと異なり、日々の仕事でチェジンの手は荒れている。それでもまだお嬢さま付きの上女中であるチェジンは下働きと違い、仕事は楽な方である。
これが下働きともなれば、どのような苛酷な仕事をこなさねばならないのか、お嬢さま育ちのファソンには想像も及ばないことだ。
そんな気随気儘な日々に甘んじていて、それでも逃げ出すというのがどれだけ我が儘なことか自覚はあった。けれど。ファソンはどうしても母の言葉が気に掛かっていた。
これが下働きともなれば、どのような苛酷な仕事をこなさねばならないのか、お嬢さま育ちのファソンには想像も及ばないことだ。
そんな気随気儘な日々に甘んじていて、それでも逃げ出すというのがどれだけ我が儘なことか自覚はあった。けれど。ファソンはどうしても母の言葉が気に掛かっていた。