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第10章 求愛猛攻撃ｰ常務取締役

・・・シトラス・・・


入社前、事前に会社を下見に行って‥
流石に中には入れないから、外観だけ見て帰ろうとした。


その途中、私はボーっとしていて人とぶつかってしまったの・・・



『すみません！』


『・・・・・』


相手は男の人でサングラスを掛けていて、一瞬怖い系の人かと思った。


でも、ぶつかった時に私が落としてしまった鞄を拾ってくれた‥
その時感じたのが‥シトラスの香り・・


結局その男の人は、ひと言も話さず立ち去ってしまったけど・・・・・







「・・・・・ゆめ？？」


目覚まし時計で目が覚めたけど、私まだ夢見心地。


今のは夢だけど、あれは現実にあった事‥
それが夢に出て来ちゃうなんてどうなのよ？？



「シトラス・・・」


覚えているのは、格好いい感じでシトラス系の香水の香り‥それだけ。


本当に、ちょっとぶつかっただけの話で、それで何かあった訳でも無いのに、夢に見るなんてあり得ないっ！



「・・・
樹部長は‥柑橘系の香りだった・・・」


うっ、余計な事まで思い出したよ‥
冗談でも俺のモノに‥って、ああーもう、恥ずかしいったら！！