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秘書2課派遣部ー私頑張ります!?
第15章 急なお呼ばれー取締役社長
草薙は少し考える素振りをしたが、聞かない方を選択したんだろう‥
草薙らしい気の使い方。
(それよりシャワーブースか、一番手が出せない場所だろ)
陽菜が戻っている事に安心はしたが、場所が場所だけに俺は手を出す事が出来ない。
やはり待つしか無く、草薙が帰ってから更に30分以上、何も手に付かずただデスクに座り続けた。
(・・・!
漸く出て来た・・・)
俯いて俺の方を見る事も無く、ただ秘書2課の出入り口に向かって歩く陽菜。
「小鳥遊!」
「・・・・・」
声を掛けたら、陽菜の足が止まった。
「小鳥遊・・・」
立ち上がり、陽菜の側に行こうとしたら・・
「・・・今日は帰ります樹部長‥
お疲れ様でした」
言ったのはこれだけ、後は足早に此処から出て行ってしまった、俺が言葉を掛ける前に。
(頬‥‥赤く腫れていなかったか?)
確実に見た訳では無いが、陽菜の頬が腫れているように見えた。
まさか悠久が陽菜を殴ったのか?
(・・・悠久なら、やりかねない・・・くそっっ!!)
やり切れない思いと共に、俺は廊下を走り去る陽菜の後ろ姿を見詰める事しか出来なく‥
俺自身に腹が立つ!!