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秘書2課派遣部ー私頑張ります!?
第20章 シトラスの香りー陽菜のお守り
悠久(ハルヒサ)の会社から陽菜を連れ出し、マンションに戻って来ても、陽菜は一向に目覚めない。
(傷痕といい、相当の体力と精神力を使ったんだろう)
着替えと手当てをし、陽菜をベッドに寝かせてから、俺はずっと眠る陽菜の横に腰掛けたまま。
それに・・・
手を開けば、陽菜に渡した香水の小瓶‥
陽菜は、ただひと言お守りと言った、痣になるほど握り締めて‥‥
(俺に渡した事で、張り詰めていた緊張が抜けたんだろうな)
陽菜を此処まで傷付けるとは‥悠久の奴、絶対に許さねぇっ!!
「・・・
切り札を使っても、悠久を潰す‥
お前が不安にならないように‥‥陽菜‥‥」
俺の決意、もう兄だと遠慮する気は無い、獅王(シオウ)社長との約束もある‥
もう後戻りは出来ないんだ、陽菜を守る為に俺は悠久と真っ向勝負をする!
香水の小瓶を陽菜の枕元に置き、意識の無い陽菜の額にキスを1つ・・
決めたのなら、やらなければならない事は沢山ある‥
まずは樹(イツキ)から来た郵便物と思い、俺は静かにゲストルームから出た。