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第29章 一緒に海外へｰ幸せｰ

「陽菜・・・・・」


「ん・・・・」


そっと手を取られ、座っていた私を雲母が立たせてくれ、ちょっとだけ腰に腕が回る・・



「やっぱり良い・・俺だけの花嫁・・・」


「・・・・・」


言葉が‥‥出ない‥
だって‥今の雲母は、私が見た中で一番の優しい笑顔‥‥‥



「・・・
叶った思いは大きいな、漸く・・・」


「・・・うん・・・」


言葉にしなくても‥分かるよ、その優しい瞳で‥
漸く‥手に入れた幸せだって・・


私も同じ事を思っているから・・・





『新郎雅楽代雲母、あなたは新婦小鳥遊陽菜が病めるときも、健やかなるときも、愛を持って生涯支えあう事を誓いますか？』


「はい、誓います」


『新婦小鳥遊陽菜、あなたは新郎雅楽代雲母が病めるときも、健やかなるときも、愛を持って支えあう事を誓いますか？』


「はい、誓い‥ます‥‥」


チャペルでの結婚式・・・


誓いの言葉の後に指輪の交換、そして・・・



『では、誓いのキスを・・・』


神父さんの言葉に、雲母は一歩だけ動き、私の両肩の下辺りを掴んで、ゆっくりと唇にキス・・


唇のキスは、愛する人への愛の表現の意味‥
雲母は唇を選択してくれた・・・