この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
淫の館
第3章 目覚め

お膳は男も皆と同じもので、刺身や肉や焼き魚と祝宴に相応しいご馳走だった。
「奥の間にはカナが運んだのか。」
「はい、先にお出しして、もうカナもこちらに参ります。」
男に向かって並んだ一番右に座る女が答えた。
「お待たせしました。」
「詫びる必要はない。奥の間の務めは一番重要なものだ。
カナも早く席に着きなさい。」
カナと呼ばれた女がお辞儀をして女達の一番左に座る。
その隣にはもう一人分のお膳が余っていた。
「この祝宴は新参者だけでなく、カナが下(しも)でなくなった宴でもあるな。
では、いただきます。」
「いただきます。」
60人近い人が一斉に挨拶した。

