この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
淫の館
第6章 脱走

表面的な抵抗はしないようにしていたが、やはり私は諦められなかった。
子供たちに会いたい。
家に帰りたい。
その思いが消えることはなかった。
従順な態度でいても、磔は解かれることがないし、毎日、石畳と洗濯の躾を繰り返すだけだった。
担当もどんどん代わり、色々話をするが、躾の予定や、脱走のヒントになる情報を得ることはなかった。
私もすれてしまったのか、下の世話をされることに、全く抵抗がなくなってしまった。
唯一、変わったことと言えば、便の臭いが無くなったと言われ、粥の分が下がり、今は少し粒の見える八分粥になったことくらいだ。

