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淫の館
第9章 水の躾
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「いただきます。」
「水の躾、嫌なのによく頑張ったな。」
突然言われて涙が決壊した。
「おいおい、誉めてやったのに泣くことはないだろう。」
「よくわからないですが、何だか嬉しくて…」
自分の感情がどこにあるのかわからなくなっていた。
数日前まであんなに憎んでいたのに、今は館主様がいないとどうにかなってしまいそうだった。
館主様が躾を通して私に教えたいこと、それを探るので精一杯なのだ。
「今日もご飯、美味しいです。」
グスッと鼻を啜りご飯を口に運ぶ。
「お前は本当に面白いやつだ。」
館主様が心から笑っている。その笑顔を見るのすら嬉しかった。
きっと明日も謎のままに躾を施されるのだろう。
とにかく、館主様のなすべきまま、思うままに全てがなっていくのだ。
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