この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
淫の館
第14章 月の躾

結局昨日はずっと独りぼっちで過ごした。
夜は寝付けず布団の中で声を出して泣き、泣き疲れて寝ていた。
「朝げだ。さあ食事しよう。」
館主様の声かけに飛び跳ねるようについていった。
「ゆっくり休めたようだな。日の躾は有意義だったんだな。」
「いえ…
独りぼっちで寂しかったです。」
「ほう、そうか、家族のことでも思い出していたか?」
館主様に言われて気づく。
あれほど暇で退屈していたのに、私が考えたことは、ここで自由に過ごすこと、子供たちに思いを馳せることすらなかった。
「いえ、自由になったら楽しいのだろうと、そればかり考えてました。」
「母親失格だな。だが、世俗から解離できたということは微笑ましいぞ。
曜日の躾が体に馴染んだら、入館の儀を行う。
そうすれば館内では自由だ。」
「待ちどおしいです。」

