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淫の館
第17章 木の躾…2週目

「館のことを聞き回っていると聞いたが、何が知りたいのだ?
差し支えない範囲なら答えてやれるぞ?」
男は踞る私の頭を、また短く立ち上がった坊主頭のような私の頭を毛並みを楽しむような感じで撫でていた。
「あの、お名前を教えてください。」
男を見上げて尋ねたが、男はとても可笑しなことのように笑い出す。
「名前はない。部屋番号をもじった呼称なら、お前の業に満足したら教えてやろう。
俺は部屋番号には拘っていない。俺達男衆には名前はない。世俗と共に捨てたのだ。
女たちは館主様が生まれ変わり切れたと認めたときに新しい名を与えられるが、男衆には名前はないままだ。
基本名前が無くても館での生活に困ることはないからな。
男衆が勝手に呼称を付けただけだから、俺はそれに拘っていない。」

