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淫の館
第22章 誇りと咎め
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「そういえば、この階には非常階段への出口がありませんね。」
「ああ、館主様の部屋から繋がっている。万が一があったら、館主様の部屋から出るんだ。」
この時は、些細なことだったのだが、後に重要なことになるとは思いもしなかった。
「つまり、4階へは館主様から呼ばれた時しか上がれない、3階には務めの時だけ、2階の広間と1階がタエの生活スペースということだな。」
そう言って元来た道を戻っていく。
「お庭にはどうやって?」
1階に戻り、試練の間に入らずに左手に曲がると非常階段に繋がる位置に出口がある。下駄箱があり沢山の草履が置かれていた。
「草履は人数分あるが、普段は共用だ。庭は明日、日曜日だからその時に出てみればよい。ちょうど朝げの支度が出来たようだ。
ここで名前を言って自分のものをもらうんだ。
じゃあ案内は終わったからこれで担当は外れるぞ?
食事を終えたら、ここに下げる。
今日は館主様から呼ばれるまで部屋で待て。」
「ありがとうございました。」
そしてそれぞれ自分の膳をもらい、サムライさんと別れた。
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