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銀木犀の香る寝屋であなたと
第7章 別離
 ある時、キヨは近所の農家に手伝いに行っていると、黒塗りの立派な車が自分の住まう小屋の方へ向かうのが見えた。(こんなところに何かあるのかしら?)
あまり注意を払うことはなかったが、数日後別の農家の老婆がキヨに話しかけてきた。

「あんた。確か藤井さんじゃたよなあ?」
「え、ええ」

「この前、人が捜しに来とったよ。なんでも藤井さんの跡取り探しとるんじゃって」
「え?跡取り」

「ちょうどあんたも坊ちゃんもあの派手な奥さんもおらんで、夜来た方がええよって言ってあげたんじゃが、来たかね?」
「い、いいえ。まだ」

「ほうか。しっかし立派な車じゃったけど、なに?あんたら、どこかええところの出なんかえ?」
「ま、まさか。人違いだと思います。うちは小作ですし」

「ふーん。まあ、わっちにゃ関係ないけどなあ」

 老婆は口をもぐもぐさせ下目遣いにキヨを見ながら立ち去った。(今頃なんだろう……)
キヨの心に不安がよぎる。
今夜、珠子に話さねばと思い、手早くイモの収穫をし帰宅することにした。
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