この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
銀木犀の香る寝屋であなたと
第7章 別離
珠子はロバートの腕の中にいる。彼の胸に手を乗せふわふわした茶色い胸毛を弄ぶ。
情事が終わっても甘い言葉をささやく彼に、少しずつ珠子は心が動かされていた。
「ねえ、ケイカ。僕の国に一緒にこないか?」
「えっ?」
「帰国命令が出たんだ。あと、三ヶ月したら帰らないといけない」
「……。家族が……、無理だわ」
「援助するヨ。だめカイ?」
「少し考えさせて……」
ベッドに腰かけて天井の揺れる赤いガラスのランプシェードを眺める。ロバートの誘いはとてもうれしいものであるが、キヨと吉弘を置いてはいけない。身支度をする珠子の腰にロバートはそっと腕を回す。
「ハニー。アイラービュー」
珠子はにこっと微笑んで優しく腕を振りほどいた。
情事が終わっても甘い言葉をささやく彼に、少しずつ珠子は心が動かされていた。
「ねえ、ケイカ。僕の国に一緒にこないか?」
「えっ?」
「帰国命令が出たんだ。あと、三ヶ月したら帰らないといけない」
「……。家族が……、無理だわ」
「援助するヨ。だめカイ?」
「少し考えさせて……」
ベッドに腰かけて天井の揺れる赤いガラスのランプシェードを眺める。ロバートの誘いはとてもうれしいものであるが、キヨと吉弘を置いてはいけない。身支度をする珠子の腰にロバートはそっと腕を回す。
「ハニー。アイラービュー」
珠子はにこっと微笑んで優しく腕を振りほどいた。