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色絵
第6章 開花
今までの境遇を不憫に思うが、逆に何も知らないのが嬉しかった。
それなら僕が教えよう。
貴女自身の色付けを出来ることが楽しみだった。
「今日は少し遅くなってしまいましたね…
そろそろおしまいにしましょうか…」
僕は事後の気まずさを貴女が感じないように帰るよう促した。
「先生…今まで通り此処にきていいですか?」
不安になったのか貴女は言う。
「もちろん構いませんよ。」
安心したように帰っていった。
翌日から色付けを始める。先生もワタシもそれ以上に進むことはなかった。
準備や休憩の時にキスをしたり筆で胸を弄られることはあっても、互いにそれ以上に踏み出すことはなかった。
「きっと今日で仕上がりますよ。」
筆で体をなぞられて体が熱くなる。
そして先生は絵のワタシに構う。絵にも嫉妬してしまうほど先生が欲しかった。
夫への罪悪感は全くない。先生と知り合う前と何も変わりはないし、ワタシが先生に夢中になったところで何も気づかない。
むしろ、疲れて帰ってきて相手をしなくてよいのが楽なようだ。
元々家事をするワタシを必要としていたのだと醒めて考えていた。