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色絵
第6章 開花
「仕上がりましたよ。後半、集中力が欠けたようですね。」
先生が帯をほどきながら、おっしゃった。
ワタシの内面まで見透かしてしまう先生と一緒にいるほうが楽しかった。
立ち上がり、
「ありがとうございました。」
お礼を言って頭を上げると先生に抱き締められる。
「お互い頑張ったご褒美として…」
先生がワタシを覗きこむ。ワタシは目を閉じてご褒美を待った。
先生の唇が触れる。強く抱き締めて唇から舌が入ってくる。
溶けそうな熱い口づけに何も考えられなくなった。
「百合には進みますか?」
「もちろんお願いいたします。」
「では牡丹の御披露目は明日のレッスンを切り上げてにします。」
待ち遠しいけど、帰って家事をして寝てしまえば時間はすぐに立つ。
ワタシは仮住まいの我が家に帰った。
レッスンは薔薇になった。複雑な花びらを捉えるのが難しいが、先生が根気よく教えてくださった。
いよいよ御披露目の時、またワタシにカーテンを開けさせて貰えた。
「牡丹の精ですよ。」
息を飲むワタシを後ろから抱き締めて先生が言う。