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色絵
第2章 入門
帰りながら、もう一度絵を見る。
元々、お庭も前の住人も知らないせいか、
ワタシには絵の美しさから、今の住人も悪い人じゃないと思えた。
絵を描く人に悪い人はいないとか言わなかったかしら?
吸い込まれそうな美しい絵、お教室に入れば、素敵なお庭も拝見できる。
退屈と思っていたのに、楽しみが出来た。
ワタシは夫の帰宅を首を長くして待った。
夫は比較的早く帰宅して、機嫌も良さそうだ。
早速黒塀のお宅の話をした。
夫も絵と教室をしていることには気づいていた。
ご近所のお話しもした。
「もしかしたら、お前みたいに、引っ越してきてから寂しい思いをしている人かもしれないよ?」
「そうね。
とりあえず明日、訪ねて見ようと思うのだけど…」
「是非、いっておいで、
まずは聞いてみないと、わからないし、思い切って訪ねてみなよ。」
夫は引っ越してきて塞ぎがちなワタシを心配していたのだろう。喜んで後押ししてくれた。