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色絵
第2章 入門

「いきなりこの姿じゃ、死装束のようで驚かせるでしょう。
ですから午前中は、着物を上に羽織っていたのですよ。」

説明を受けても、ワタシは息を飲んだままだった。

白の着物は先生の儚げな美しさを際立たせていたから…


「ほら、固まってないで、早くあがりなさい。」

あっ…

魅入ってしまったワタシに先生が声をかけてくださった。

慌ててあがり、先生の方へ向かう。

先生が、ワタシの背後に回り、クンっと鼻を鳴らす。

「約束を守って頂けたようですね。
湯上がりの貴女の香りがします。」

ズキン…
背後から、先生の低い声が耳元に降り注ぎ、
ワタシの全身に甘い痺れが走り抜けた。

ワタシの香り…湯上がりの香り…

先生は、全くそんなつもりでおっしゃったわけではないはずなのに…
ワタシの体は、性的な意味合いをもって受け止めた。

匂いを嗅がれただけなのに、まるで入浴姿を見られたように、体が熱くなった。

「こちらへどうぞ…」

アトリエの隣のドアを先生が開ける。
アトリエの奥行きからすると半分もなく、窓がない。

「衣装部屋、クローゼットと言えばよいでしょうか…」



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