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色絵
第8章 情画
加虐体質と被虐体質の組み合わせとはいえ、恐怖で服従するのでなく、愛から僕に従ってくれることが嬉しかった。
でも僕は此処にくる貴女を愛することしかできない。
家に帰りご主人に痛めつけられることから守ってあげられない。
貴女の眠れぬ夜を、安らかな時に変えてあげることもできない。
貴女を完全に自分のものにするには、
貴女が全てを捨てて僕を選ぶのを待つしかないのだ。
「先生、ワタシを縛って下さい。」
貴女は御太鼓を外しながら言う。
午後は衣装部屋から裸で来るように言っても良かったが、
けじめというか面倒くさがらずに、すぐ外すだろう御太鼓を、きちんと仕上げてアトリエに入ってくる貴女が好きだった。
ハラリと床に垂れた帯が僕を誘う。
僕は貴女を後ろから抱き締めて、帯も外さず襟に手をかけ、グッと着物を開いた。
手を貴女の胸の前で交差させ、貴女の背中にぴったり体をつけて乳房を包む。
「先生っ?」
うなじに口づけながら貴女の疑問に答える。
「絵の為でなく、そのままの貴女に触れたくなってしまった。」