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色絵
第2章 入門

「透けていますか?」

「あっ…いえ、大丈夫です。」

思っていることが伝わり過ぎて恥ずかしい。

「では、着替え終わったら仕事場に来てください。
あっ…内側から鍵かけられますから、」

先生が部屋を出ていった。

逆に鍵をかけるべきかと考えてしまう。
結局、かけずに着物をチェックする。


着物を着るのは久しぶりだ。綺麗に着こなせるだろうか…

緊張しながら着替える。
着ているものを全て脱ぐ。体が反応して赤くなっている。

着物を順番に身に付けていく、気が引き締まっていく。帯を締める頃には、戦闘態勢という感じになる。

部屋を出てアトリエに向かう。ドアが閉まっていて緊張する。

コンコン…

「どうぞ…」

先生は既に作品に向かっていた。

ワタシは先生の後ろの椅子に腰掛けようとした。

「奥さん、ちょっと僕の前に来て…」

先生の前に立つ。

「向こうむいてもらえますか?帯を直したいんですが…」

「はい…」

先生に背を向ける。

「振袖は未婚の女性のものというのはご存知ですね。」

先生が帯の結び目までほどいた。



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